メーカー	カプコン	発売日	1991-10-04
機種	スーファミ	ジャンル	アクション
評価	★★★☆☆

スーパーファミコンオリジナルの魔界村シリーズ作品。従来の文法を踏まえつつも、二段ジャンプなどで新しさを出しているところは上手い。

　● 夜の海は怖いよね

　日付を見れば分かるとおり、このゲームの発売はスーファミ発売後約1年くらいの事である。ところが私は長い間このゲームには手を出さなかった。発売されたのは知ってたけど、なんとなくやらなかったのだ。結局手に入れたのは、何年もあとになってからの話だ。

　超魔界村は、アーケード版大魔界村の続編である。と言っても、超魔界村自体はアーケードでは出ていなく、スーファミオンリーである。
　たいてい、アーケードゲームの続編のようなものを家庭用マシンで独自に作った場合、あまり出来が良くない。私はそう感じる。しかしこの超魔界村に関しては、かなり高いレベルにあるように思う。魔界村の文法をきっちり踏まえた上で、新しい要素を取り入れている。

　ゲーム内容は前作の大魔界村をかなり踏襲しており、魔界村→大魔界村ほどの変化はない。正常進化版と言ったところか。グラフィックも音楽も頑張っており、魔界村らしさを残しつつも新しいステージなどを用意している。
　違うところは、まず武器と鎧システム。前作では、主人公アーサーの装備は、裸→銀の鎧→金の鎧となっており、金の鎧だと魔法を使う事が出来た。今回は、銀と金の間に、緑色の鎧がある。この鎧になっていると、武器がパワーアップするのだ。金の鎧は武器がパワーアップ状態の上に、魔法を使う事が出来る。

　今回もまた、ナイフがかなり強力である。素の状態でもかなり連射が効いて強いのだが、パワーアップ状態だとレーザービーム(？)のような武器になり、攻撃力抜群だ。
　ただ、今回は大魔界村であった「真上攻撃」が出来なくなったので、ナイフだと上にいる敵を叩き落すのは難しくなってしまった。その点を除けば、ナイフはどの場面でも有効な武器である。

　その変更により、今回ナイフを抑えて最強武器になったのは「弓矢」である。弓矢は、通常状態では上斜め方向に2発ずつ矢を発射するという武器で、真横に飛ばないので少し使いづらい。しかしパワーアップすると、同時発射数が3発になる上、ホーミングがつく。ホーミングはでかいよ。もう上に出る、出ないの問題じゃないもの。とりあえず連射しとけば当たるもの。敵には、画面のちょっと外まで当たり判定があるので、画面外の敵ですらホーミングで倒せる。それと、3発同時というのもでかい。ダメージを与えたい相手の目の前で連射すれば、3発ずつヒットするのでかなり威力がある。
　弓矢の唯一の欠点は、魔法がいまいち使えないという事だ。弓矢の魔法は、「隠れた宝箱を見つける」というもの。ま、最初のうちは役に立つのかも知れないが、やってればそのうち宝箱の位置なんて覚えるものだし、それに魔法が使えるという事は「弓矢＋黄金の鎧」の状態になっているわけで、もうあんまり宝箱が必要なくなっていると言える(ただ、今回は盾という新アイテムがあるので、それをゲットするためには宝箱が要る)。
　で、魔界村のお約束なのだが、2周目の最後はサイコキャノンで行かないとまずい。サイコキャノン自体はまあまあ使える武器なんだけど、今回は弓矢があまりにも強いので、2周目の最後は「弓矢でない」というだけで相当難易度が上がってしまっている。

　もう一つ、これが大魔界村との最大の違いと言ってもいいのだが、今回は2段ジャンプを使える。空中でもう一度ジャンプできるのだ。このシステムのおかげで、だいぶ戦略性も変わっており、結構楽しくなっている。
　2段ジャンプの使い方は柔軟性があり、普通の使い方はポンポンと2回押す事でジャンプの飛距離を伸ばすというあたりだが、その他飛距離の補正のために1段目を垂直ジャンプ、2段目を斜めジャンプにするとか、高い位置に行くために右ジャンプ→左ジャンプと繰り返したり、あるいは大きなジャンプの着地点に敵がいそうな場合、普通に1段のジャンプで飛び込んでみて、危なかったら2段目を飛ぶなど、様々な使い方が出来る。
　大魔界村からの伝統で、「宝箱出現トリガーポイント」というのがある。そこを通過すると、近くのどこかに宝箱が出現する。このポイントが結構隠された場所にもあり、それが例えばがけっぷちの更に向こうとかだったりする。もちろん、これは2段ジャンプを使い、行って戻ってくると宝箱が出ているという仕掛けだ。こんな風に、随所に2段ジャンプを必要とする場面が盛り込まれている。
　2段ジャンプ自体はありきたりなのかも知れないが、それが上手く魔界村のシステムと融合しており、プレイしていて楽しいと思えるゲームになっていた。

　あとは、拡大縮小や回転など、スーファミ独自の機能を使っているのが従来と違う点かな。特に画面全体がグルグルと回転する面もあって、結構インパクトがある。

　面の構成とは良く練られていて、さすが魔界村シリーズと言える。またこれが結構難しいゲームなので、何度も同じ面をやる羽目になり、否応なしに一つ一つの面に思い出がある(このへんは大魔界村と一緒だな)。今ちょっと検索して超魔界村のマップ等が載っているページを見つけたけど、「うわっ、ここで何度も死んだっけ」「この面クリアするのすげー時間かかったな」とか、苦しい思い出ばかりがよみがえってくる。
　結局、買ってから何年もクリアせずに放っておいた。2周目の最後の方とかまでは行ったんだけどねえ。そもそもセーブできないから、やるなら電源入れっぱなしでやり続けないといけないし。そのへんは確か桜玉吉の「しあわせのかたち」にも書いてあった。
　ま、ずーっとあとになって頑張ってクリアはしたんだけどね。
　そんな感じで。