メーカー	コナミ	発売日	1987-12
機種	MSX	ジャンル	アドベンチャー
評価	★★★☆☆

「魔城伝説」「ガリウスの迷宮」に続く、魔城シリーズ第3弾にして完結編。しかし、続編らしからぬゲームシステム、そして舞台設定を持った不思議なゲーム。

　● すきな人の名前を入れて下さい

　「魔城伝説」「ガリウスの迷宮」と続いた魔城伝説シリーズの第3作、一応完結編。
　第1作がシューティングで、第2作がアクションRPGとジャンルが全然違っていたのだが、このシャロムではついにアドベンチャーになってしまった。もうシステム全然違うじゃん、と。

　ストーリー的には、繋がってはいるのだが、かなり不思議な繋がり方だ。というのも、確かに前2作で出てくるポポロン、アフロディテの名前は出てくる(ただし時代がだいぶ経っていて、2人はもう死んでいる。その子供が今は王様をやっている)けど、実は主人公は彼らではない。なんと、主人公は現代の高校生で、部活でゲームをはじめたらその中の世界に入り込んでしまった、という設定なのだ。で、その世界がこの魔城伝説の世界というわけだ。
　そして、気がついた時にそばにいたブタのブタ子(普通に人間語をしゃべる)と一緒に、グリーク王国を大冒険するというストーリー。
　もうなんか設定的にブッ飛んでるでしょ？　これが今回の魔城伝説で、前作までとはもう雰囲気も、そしてゲームシステムも全然違う。

　ゲーム内容は、普通にアドベンチャー。良くあるドラクエ式RPGのように、町の中を色々と動き回れる。で、人に話し掛けたりアイテムを手に入れたりしながら進めていく。
　ポイントは、会話や行動のリアクションでの細かいギャグの連発。何かあるとすぐギャグに走り、そしてブタ子につっこまれる。さすが関西の会社が作っただけある。もう全編ギャグだらけという感じ。
　私が好きだったギャグは、各ワールドに散らばる、セーブ担当の神様みたいなのがいるんだけど、これが全部「モリ」「アキヤマ」「キヨハラ」などの名前になっている。つまり、西武ライオンズと「セーブ」をかけてるんだけどね。元々西武ファンの私はそれだけで大喜びさ！

　と、全体的なノリとしてはギャグタッチというか、かなり軽いんだけど、アドベンチャーとしては結構難しくなっている。基本的にフラグ立てで、色々な人と会話してヒントを集めたりしないといけないし、自分から解かなくてはいけない謎も結構ある。結構謎解きで詰まった人も多いんじゃないかな？　確かこのゲームが発売した当時は、凄く難易度の高いゲームという評価が一般的だったように記憶している。
　このゲームはアドベンチャーとしては珍しく、章立てというか、ぶっちゃけ面クリア型になっている。一つ一つの章にボスがいるので、それを全部倒すのが目的だ。
　そのボス戦というのも色々バリエーションがあって、前作のガリウスっぽいアクションで倒すボスもいれば、3D画面っぽくなる奴、懐かしいプーヤンシステムで倒すボス、更には組木細工みたいなのを動かして倒す(？)ボスなど、それぞれがミニゲームみたくなっている。これはこれで面白かった。

　それと、グラディウス2と同様に、SCC音源が搭載されている。私はこのゲームの曲は結構好きだ。特にオープニングデモの曲はかなり好き。多分、「シャロムのオープニングデモ」と言ってもすらっと記憶の中から出てくる人は少ないと思うけど…。
　グラフィック的にも、MSX1対応の割にはかなり頑張っていた。

　で、かなり時間もかかったし、難しかったけど、私はこのゲームをクリアした。まあストーリー的には、主人公が現実世界に戻ってくる形になるんだけど、なかなかさっぱりした読後感…というかクリア後感のゲームではあった。
　私は、シューティング、アクションRPGと来たあとの「アドベンチャー」というシステム、それと突拍子もない背景設定から、当初は「これが魔城伝説の続編なのかよ…」と渋い顔をしたものだが、実際プレイした後は結構気に入ったゲームになった。毎度書いているが、そのうちまたクリアしてみたいと思っている。