ゲームシステムの変更が正式に決まり、この方向で行こうと固まってからは、会誌(MXUG通信)に載せるちょっとしたゲームではなく、もうちょっと本格的なゲームとして作る計画になった。それなので、特に期限は設けず、今決まっているところまでみんなで作って行こうという感じになった。
　前々回、方向転換について書いたが、作りながら企画会議をしていくというやり取りの繰り返しで、大体1か月半くらいかかっている。9月〜11月くらいで、新システムの案が固まったという感じだ。
　そこからは作りこみになるので、各自プログラム、画像、音楽など自分の担当範囲をもりもりと作っていった。

　正直、この出だしの部分がうまく行ったというか、みんなが熱意を失わなかったのは、私はILL君の働きが大きかったと考えている。
　前から思っている事だが、物を作る時、というか集団で何かをする時、誰か一人先行して動くというのは重要だ。ゲーム制作で言えば、何かを開発する事だが、それがプログラムでも、画像でも、音楽でもいい。今回は、ILL君の作る音楽だった。
　ILL君は、ある程度ゲームシステムと、ステージ構成や必要なBGMの種類が決まってきたところで、ガンガンと曲を作成していった。他の人が10%くらいの作業で止まっているところを、一人だけ70%のところまで進めた感じだ。もちろん、クオリティアップの時間もそれだけ多く取れる事になる。
　このように、一人先行して作業を進め、そのクオリティを見せられると、「うーん、彼がここまで作ったんだから、俺も作るか」という気持ちになる。
　正直、こういう趣味のゲーム制作などは、面白いは面白いんだけど、時々「めんどくさいなあ…もういっか」という気持ちも出てくる。実際、みんな仕事なりなんなりを抱えていて、その上でやる事だからね。そして全員が「めんどくさい」になった時、色々消滅していく。
　だが、G1の場合は、ILL君の頑張りもあって、そこがダレなかった。ILL君も、チームのためというよりは、自分が好きで楽曲の制作をしていたのだとは思うけど、メンバーもそれに引っ張られて、いいものを作ろうという気になった。

　実のところ、私もそうだし、ILL君もそうだし、他のメンバーもみんなそうだけど、MXUGのメンバーはそれぞれが内に秘めた我の強さというのがある(秘めてない人もいるけど)。特に私とILL君は、ゲーム開発の上で意見が衝突する事が多かった。それで感情的になる場面がゼロではなかった。
　それでも、ILL君がいて良かったと思う。それは、上記のように、音楽制作を通じて開発全体を推し進めるエンジンになってくれたのと、あとは意見の衝突自体は、全体としてはゲーム開発に有効に働くというのもある。全員が同じ意見だと、ろくなものにならない可能性がある。衝突があって、初めて客観的になれる部分もある。そこは良かったかなと思う。

　さて、12月になって、ようやく初めてのオフ会が行われた。8月の結成時からやろうやろうという話は出ていたが、結構かかってしまった。
　参加メンバーは、くらちさん、N.Masuokaさん、K A M E さん、私の4人で、場所としては千葉のK A M E さん宅で行う事になった。この4人は、同じ市内とまでは言わないけど、まあ大宮から車で行ける範囲内に住んでいて、比較的オフ会と言うと集まりやすかった。
　他、例えば北ＧＥＮさんは北海道、ILL君は関西と、とてもちょっとしたオフ会で集まれるような距離ではないところに住んでいた。あとは、じんべさん、ちゃがまさん、ＯＰＡさん、ウチナーさんあたりも集まれない距離ではないけども、今回は都合が合わなかった。

　私はMIYA-NETに入るようになって1年半経っており、何度かはオフ会に出た事もある。その中で、くらちさん、K A M E さんとはすでに会った事があった。Masuokaさんは、初めてだった。
　MIYA-NETでは、私はかなり晩年に参加した部類のメンバーで、K A M E さんはだいぶ前からやっているし、くらちさんも私よりは古い。しかし、Masuokaさんは私よりも新しく、MXUGができるちょっと前くらいに参加したメンバーだった。だからオフ会等も参加していなく、結構謎のメンバーだ。が、まあありがちだけど、会ってみると普通の好青年だった。
　で、まず私が電車でくらちさんの最寄駅まで行き、そこからくらちさんの車で移動、Masuokaさんと落ち合って、それからK A M E さんの自宅へと向かった。
　過去ログを読むと、私が車酔いしたとか書いてある…。いやあ、車に弱いんだよね、昔から。
　それで、K A M E さんの部屋に集まって、まずはゲーム大会になったかなあ。くらちさんが、その日発売だったのかな、リッジレーサー4を買って、K A M E さんのプレステで遊んだ。そういや、当時はまだプレステ2とかなかったしね。あとは、なぜか私がファミコンのバルーンファイトを持っていったので、なんか知らないけどファミコンゲーム大会になった。F1レースとかやったっけ…。

　と、ゲームばかりではなく、結構G1とかMXUGをどうするかとか、色々な話が出てきた。やっぱり、毎週チャットで色々会議しているのが、初めて顔を合わせたわけで、色々言いたい事はあるわけだし、結構真剣に話してたと思う。

　この時のオフ会はそれで終わったが、最初のオフ会で集まった4人は、それ以降も良く集まった。それで、MXUG内の結束を高めていった感はある。
　しかし逆に、その事が、簡単には集まれないILL君や北ＧＥＮさんと、我々との間に壁を作ってしまったというのも、ちょっと否めない。それで少し話がこじれる事もなくもなかった。まあでもそれは仕方ないというか、避けられなかったとは思う。のちのち、実際集まらないとできない作業とかが増えてきたというのもあるし。

　ま、それはさておき、最初のオフ会で楽しくお話やゲームをし、より一層G1を完成させようねという気持ちを高めて、1999年を迎えるのだった。